TimeのATACといえば、特徴的なバータイプのビンディング構造を採用したペダルとして知られています。多くのビンディングペダルでは後側レバーが可動する構造ですが、ATACは前側が可動する点も特徴の一つです。
そのATACシリーズですが、一時期、従来とは大きく異なるビンディング構造のモデルが販売されていました。
下記はcyclowiredの記事
タイム ATAC XC レーサー達から人気を集めるMTB XC用ペダルの新型 – 新製品情報2020 | cyclowired
このモデルでは、後側レバーが従来のバータイプではなく、板金プレス形状の部品となっており、固定機構であると同時にボディカバーの役割も兼ねています。
また、この部品にはばね力調整ボルトが配置されており、この部分には特許 FR3092813A1 の構造が採用されています。
従来のSPD系などのビンディングペダルでは、可動レバー側にばね力調整機構を組み込む構造が一般的でした。
一方、このATACでは、固定側に調整機構を配置している点が特徴です。

特許文献では、この構造により以下のような問題を抑制する狙いが説明されています。
- ばねの変形
- 長期使用による永久変形
- 張力低下
- 剛性低下
理論的には、ねじりコイルばねが理想的に作動するなら、どちら側のばね足で調整しても大きな差はないようにも思えます。
しかし実際には、ばねは案内棒に対して常にスムーズに動作するわけではなく、摩擦や片当たり、引っ掛かりなどが発生することがあります。
その結果、ばね足が片持ち梁のような状態で局所的に荷重を受け、疲労が集中する可能性があります。
このため、本特許のように固定側で調整を行うことで、可動側ばね足への負担集中を避け、耐久性や調整安定性の向上を狙っていたのかもしれません。
ただし、この構造のATACは長期間継続採用されることはなく、その後は従来タイプへ戻っています。
そのため、コスト、重量、耐久性、フィーリング、泥抜け性など、何らかの課題があった可能性も考えられます。
TIME タイム ATAC XC C1 アタック XC C1 ビンディング(左右ペア)(710845924835)ペダル
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