Ekoi PW8は、
シューズとペダルを一体設計し、スタックハイトを極限まで低くした専用ペダルシステム
です。従来のSPD-SLやLOOK KEOとは異なり、専用シューズが必要になります。
PW8の名前の「8」は、
ペダル軸中心から足裏までの距離(スタックハイト)8mm
ペダルボディが8の字形状
に由来していると思います。
8ワット分のパワー節約効果があるみたいな話もありましたが、これに関しては詳細なデータはなかったと思います。
関連特許
このペダルシステムに関連する特許としては下記の3つがありました。
FR3099872A1.pdf
FR3119598A1.pdf
FR3119599A1.pdf
発明者はPascal Nobileさんという人ですが、Time(SRAM)が権利者になっている特許でも発明者として名前が載っていたので、おそらく以前はTimeでペダルを開発していたと思われます。
フランス語なので、原文を読めないのであまり理解は深まっていませんが、
このペダルの大きな特徴はクリートが前後2分割されていることだと思います。
一般的なロードビンディングペダルの場合、クリートが固定機能と荷重伝達機能を担当しています。
一方PW8ではクリートを分割することで、クリートは固定機能のみ、荷重伝達は直接シューズソールで行うようになっています。
PW8に似たようなシステムとしてはDiadoraのPower driveペダルがありましたが、あちらはクリートが分割式ではなかったです。
この分割式によってクリート分の厚みをキャンセルできるため、スタックハイトがペダルの厚み分のみになるため、8mmという低スタックハイトを実現しています。
また個人的にはスタックハイトが低いことよりも、クリートの飛び出しが少ないため歩きやすそうというのが大きなメリットではないかと思います。ロードペダルであっても歩きやすいに越したことはないです。
実際に歩行してみないと安定感やグリップ性能はわかりませんが。
またペダルボディの軸方向の位置規制方法にも工夫があり、ペダル軸先端に下図7番の環状溝に対してペダルボディ側から下図8番のピンを差し込むことで、軸方向の動きを規制しています。

普及に向けた課題
前後にクリートを分けることで、取付によるクリートの前後間距離のばらつきは大きくなりそうです。
またシューズがこれまでの3つ穴シューズではなく、専用シューズが必要となるため、選択肢が狭いというのはかなり普及に対してはネックになると思います。
やはり一つのシューズブランドでのすべての人の足の形やデザイン好みを満足させるのは難しいでしょう。
また直接ソールで踏むため、ソールの摩耗も気になります。
値段もかなり高めですね。下記記事によるとシューズは£450、ペダルは£599.17
まとめ
PW8は、クリートが担っていた「荷重支持機能」と「固定機能」を分離した点で、非常に革新的なペダルシステムだと思います。
従来のロード用ビンディングペダルとは異なるアプローチでスタックハイトの低減や接触面積の拡大を実現しており、技術的には非常に興味深い製品です。
一方で、専用シューズが必須であることは普及における大きな障壁になると感じます。
現在のロードバイク市場では、ライダーは足型やフィット感、デザイン、価格などに応じて多くのシューズブランドから自由に選択できることが当たり前になっています。ペダルシステムを変更するためにシューズの選択肢まで制限されることを受け入れるユーザーは、それほど多くないかもしれません。
また、スタックハイトの低減や接触面積の拡大によるメリットは確かに存在すると思われますが、多くのライダーにとっては既存のSPD-SLやLOOK KEOから乗り換える十分な理由になるほど大きな差として体感できるかは未知数です。
技術的には非常に面白い挑戦であり、自転車ペダルの新しい可能性を示したシステムだと思います。しかし市場全体への普及という観点では、専用シューズという制約を上回るほどの明確なメリットをユーザーに提示できるかが最大の課題ではないでしょうか。
LOOK Keo2 マックス ビジョン ペダル (000000000000025988)
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