現在、私は Autosomal dominant polycystic kidney disease(多発性嚢胞腎)という病気を抱えています。
ADPKD(多発性嚢胞腎)とはどんな病気か
腎臓に「嚢胞(のうほう)」という液体の入った袋ができ、年月とともに数や大きさが増えていく病気です。
嚢胞が増えて大きくなると、腎機能が低下していき、60歳までに約半数の患者が透析を必要とする末期腎不全になると言われています。(ただし個人差は大きく、生涯ほとんど問題なく過ごす人もいます。)
この病気は指定難病にもなっており、日本では患者数は約31,000人、約4,000人に1人が発症するとされています。
人間ドックで多発性嚢胞腎の可能性を指摘された
私は2022年、人間ドックの腹部エコー検査で多発性嚢胞腎の可能性を指摘され、精密検査を勧められました。
その後、近くの総合病院を受診し、多発性嚢胞腎についてさまざまな説明を受けました。
現時点では根本的な治療法はなく、進行を遅らせる可能性がある薬としてサムスカがあるとのことでした。
ただし、この薬を使用するには、
- 総腎容積750mL以上
- 年間総腎容積増大速度5%以上
という基準を満たす必要がありました。
その時点では容積増大速度がわからなかったため「また来年検査をして判断しましょう」ということになりました。
そして2023年の検査で、基準を満たしていることが判明しました。
サムスカには病気の進行を遅らせる可能性がある一方で、強い利尿作用があり、
- 頻尿
- 多尿
- 夜間頻尿
などが起こるほか、肝機能へ影響する可能性もあるとの説明を受けました。
当時は「夜に何度もトイレで起きて眠れなくなるのは嫌だな」程度に考え、投薬は見送りました。
しかし1年後の2024年の検査でも、やはり投薬基準を満たしていました。
この病気は遺伝性で、親が患者の場合、子どもに50%の確率で遺伝すると言われています。
私の場合、兄と母もこの病気で、母は現在透析治療を行っています。
透析が必要になると生活上の制限も増えるため、少しでも進行を遅らせられる可能性があるならと思い、サムスカを始めることを決めました。
サムスカ開始時は2泊3日の入院
投薬開始にあたっては、薬の影響を確認するために2泊3日の入院を行いました。
特に手術などをするわけではなく、入院中は普通に過ごしていましたが、尿量の測定を行っていました。
実際にサムスカを飲み始めると、本当に尿量が増えました。
初日はおそらく6リットル近く尿が出ていたと思います。
夜も何度もトイレに起きることになり、夜間だけで3リットル近く出ていました。
1回あたりの尿量も多く、回数もかなり多かったです。
水分も大量に摂りましたが、「飲んだ分がすぐに出ていく」という感覚でした。
入院中に特に異常は見られなかったため、そのまま治療を継続することになりました。
薬を飲み始めてからは、毎月1回病院で検査を受け、腎機能や肝機能への影響が出ていないかを確認しています。
また年に一回はCT検査を受けて腎臓の大きさを測定しています。
今のところは大きな問題はなく来ています。
この薬は非常に高額で、1か月あたり5〜6万円ほどかかります(服用量によって変動します)。
とても個人で負担できる金額ではありませんが、多発性嚢胞腎は指定難病のため、申請を行えば医療費の自己負担額を抑えることができます。(収入によって自己負担額は変わります)
詳細は下記をご参照ください。
指定難病患者への医療費助成制度のご案内 – 難病情報センター
現在の状況
飲み始めの頃は、夜中に何度もトイレに起きるため、睡眠不足気味でかなりつらかったです。
ただ、数か月ほどすると身体が慣れてきたのか、以前ほど頻繁に目が覚めることはなくなりました。
日中も確かにトイレの回数は増えましたが、今のところ日常生活で大きく困ることはありません。
長時間の移動や映画館など、「すぐにトイレへ行けない状況」は以前より意識するようになりました。
ただし、自由にトイレへ行けない職業の方は大変かもしれません。
また、以前より尿量が増えたため、水分を意識して摂るために、水筒を常に携帯するようになりました。
カフェインもあまり腎臓によくないということも聞いたので、大体麦茶にしています。
尿量が増えたためか、かなり多く飲めるようになりました。1リットル近くは簡単に飲めてしまいますし、以前よりも麦茶がおいしく感じるようになりました。
カフェインは控えた方が良いということなので、水分補給は麦茶がメインです。
コーヒーは飲まないか、デカフェにしています。
また、私は現在も自転車やランニングを続けていますが、特に問題なく行えています。
走っているときは汗をかくためか、特別トイレに行きたくなるという感じはありません。
多少パフォーマンスに影響している可能性はあるのかもしれませんが、自覚症状はありません。
一方で、多発性嚢胞腎では腹部への強い衝撃は避けた方がよいとされているため、コンタクトスポーツや格闘技などは注意が必要だと思います。
サムスカを飲み始めて約2年になりますが、現在のところ大きな病気の進行もなく過ごせています。
将来的な不安がなくなったわけではありませんが、定期的に検査を受けながら、できるだけ普段通りの生活を続けていきたいと思っています。
多発性嚢胞腎はあまり知られていない病気ですが、同じ病気の方の参考に少しでもなればと思い、今回まとめてみました。
参考に両腎の大きさの経過です。
2022:827ml
2023:895ml
2024:991ml
2025:963ml
2026:1036ml
じわじわと大きくなってきてます。(一般的な成人で両腎合計:約250〜400 mL程度)
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